ヘラ師さんに万力とサオ枕をいただいて、我がサオ掛けに合わせるためのコミ調整に挑戦したのが、今年の3月。幸か不幸か緊急事態宣言がずっと出ていたので、釣りの誘惑にそそのかされることなくコミ調整に集中できました。
まずは薬剤に溶けにくいらしいとのことで絹糸を購入して、糸巻きからスタート。最初はやり方がしっくりこなくて、時間がかかりました。
糸巻きの後は漆塗り。素人が使いやすい本物ではない漆とはいえ、戸惑いだらけ。薄め液や洗い液をキッチンで使って石油臭さに倒れそうになったり…。無知って危険ですねー!
小皿を使うと洗うのが大変だから、紙コップをしばらくは使っていました。
でも、最後の頃には、アルミ箔を皿代わりにしていました。終わったらクシャッと潰して捨てれば、匂いも広がらない! 経験値が物を言うというのは正しいですね!
筆も水彩画や書道の筆を使っていましたねぇ。
最後は平筆を購入しましたけれど。だって、「面」で塗りたいのに、それができない先細りの筆では上手く塗れるはずがありませんでした…笑
何度も何度も漆を塗って、太さが足りなければまた糸を巻いては漆を塗り重ねました!
やすり掛けも楽しいひとときでした。でも、2,000番ならばツルツルになると言われたのに、くすんだツルツルにしかならず。ピカピカにしたいのに…!
やすりの種類を間違えているのかしら!?
そうそう! サオ枕の方は、糸を3回は巻かなければいけないくらいの細さだったのですが、一度、勘違いをして4回巻いてしまって…漆を塗った後で気づいたから、やすりで削って糸を外さなければいけない事態にも陥りました。
泣く泣く紙やすりで削って巻いた糸を取り去ると、漆を塗った下地が出てくるんですよね。情けなくも楽しい作業でした。
紙やすりで磨いたあとがこんな感じ。表面がつるんとしています。
漆を薄〜く塗ると、ピッカピカの漆黒が姿を現すんですよね。この美しさに虜でした。
まだ完成ではありませんが、着実にソレらしくなっていっているのがとても嬉しい今日このごろです。
へら専科のコラムでもコミ調整について書かせていただいておりますが、コミ調整って時間がかかるものなのですね。職人さん達のありがたさが身にしみました。