むかーし、子供用の短い話をちらりと斜め読みした程度だったアンネの日記。きちんと読んでみようと完全版なるものを手に取ってみたのが1年前。
読み始めは、同じような日常が綴られているのをただただ傍観者として無感情に読んでいた。隠れ家での生活は、歴史上の悲しい残酷な結末へ向かう過程だったのねと。
そのうちに、屈託なく明け透けで快活明瞭で、ちょっと生意気そうにもみえてしまう、おませなアンネ・フランクという少女に惹かれて、彼女や多くの犠牲者たちを想うようになる。
アンネの日記を楽しみに、「今日は書いてくれた」「この数日は書けない何かがあったのかしら」と、そんなことを思いながら読み進める。
どうしよう。早く読み終えたいと思っていたのに、本当にあと少しで読み終えてしまうのかと思うとつらくなる。
読み終えるということは、アンネが日記を書くことができない状況になるということ…
毎日のように捕まりはしないかと恐怖に怯えながらも、実際にその日が来てしまうことになるとは。希望を持って生きていたのに。
「作家になりたかったんですね。あなたの書いた文章を読ませていただいていますよ」
何度もそう呟きながらページをめくる。
1/27、アウシュビッツ解放78年…
ポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所は第二次世界大戦中の1940年にナチスがつくり、1945年1月27日にソ連軍によって解放。110万人以上がガス室などで虐殺され、ユダヤ人が9割におよぶ。
今年はロシアが式典に呼ばれることはなかった…