「仁和寺の祈り」を読んで…

マスク不足の中、仁和寺で儀式のときに使用する奉書紙マスクを拝観者に配っていると聞き、取材したときにいただいた御本。

「令和に守り伝えたい 仁和寺の祈り」を拝読しました。

令和元年12/31に第一刷発行。

   

コロナ禍の今、この本に出会うのも縁なのですね。

取材時は、仁王門の金剛力士像が「どんな言葉を言おうとしているのか」なんて考えることもなくチラリと姿を拝見しただけで通り過ぎてしまったし、

金堂に安置されている阿弥陀三尊をはじめとしたいくつもの仏様に心を向けることがなかった…。

目的は仁和寺でゆっくりすることではなかったのだけれど、その後悔はこの本を読むことで和らいだ気がするから不思議。

仁和寺は、天皇や皇族が門跡をつとめるなど天皇家との結びつきの深い歴史と伝統のあるお寺。888年、宇多天皇により建立されたもの。

   

「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候」とは良寛和尚の言葉。

災難に遭遇しても、その不運をただ嘆き悲しむのではなく、その災難を受け入れるべし。そしてそこに救いの要素を見つけるべし。〜中略〜

災難などの不幸や不運は誰にでも起こり得るものだけれど、その時に最も大切なのは、その災難を受け止め、それを自分の魂を磨く糧とできるかどうかです。

エピソードとともに綴られた文章が「今」と重なり、心を鎮める時間となりました。

ありがたいことです。

季節は黙っていてもめぐる。穏やかな来年のために、今年を過ごす。

今の自分の行動は、誰かを救うことになる。正しく考えて、正しく行動したい。

令和に守り伝えたい 仁和寺の祈り

著書:総本山仁和寺第五十一世門跡 瀬川大秀

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