6/2(木)に雹(ひょう)の被害を受けたトウモロコシ畑……
埼玉県深谷市内の「ヤマニファーム」代表取締役の山田豪(やまだたけし)さんにお話を伺いました。
その日の夕方、車を運転中に急にあたりが薄暗くなり、パラパラと小さなあられのようなものが降ってきたかと思ったら、風が強くなり、ものの数秒で雹の嵐。ペットボトルのふたくらいの大きさのものがドンドンドンドンドンッと落ちてきて恐怖を感じたそうです。
雹が降った時間はほんの15〜20分。その後、何事もなかったかのように青空が……。
心配したのは、収穫間近のトウモロコシ畑。
26,000㎡の敷地に7万5,000〜8万本のトウモロコシを育てている山田さんは、すぐさまトウモロコシ畑へ向かいました。しかし、いざ目の当たりにして、何が何だか分からず呆然とし言葉を失ったそうです。
トウモロコシは、あたり一面なぎ倒されていました。
北からの強風により根元から茎から折られ、その上に容赦なく雹が打ちつけたようです。足元は真冬の雪景色を思わせるように真っ白。すべてが雹で覆われていました。
雹が溶けたあとの畑はぬかるんで奥まで入ることができず、被害状況をすべて把握できないままの数日。雹が直撃した茎、葉、そして実の皮の部分は、白っぽく変色し枯れていきました。
皮を剥くと、トウモロコシの実は潰れてしまっていて……
すべてダメになったと諦めかけたその時、救ってくださったのは、お客さまだったそうです。
「あんたのところのトウモロコシは美味しいから。雹の当たっていない部分は食べられるよ!」
収穫できるかどうか確約ができない中でも電話が鳴り続け、「予約は保留にさせてください。収穫できたらクール便でお届けします」と仮の注文を受ける山田さん。注文票の束から多くのファンの皆様に愛されていることがうかがえました。
そして6/10(金)からは、3分の1ほどの値段で、数本ずつ「訳あり品」として直売すると決めました。
採れたては生で食べるのが一番美味しいとのことで、貴重なトウモロコシの皮を剥いてくださいました。太陽を思わせるほど鮮やかに艶やかに輝く黄色い粒たち……
甘いっ!瑞々しいっ!軽やかなるやわらかさっ! 実から水分がほとばしり、渇いたノドがうるおうーーーっ! 美味しいーーーっ♪ いやこれ、本当においしいわ。
なぎ倒されていたトウモロコシは生命力をフルに発揮し、先の方から上へ上へ再びまっすぐ立ち上がろうとしていました。
山田さんたちもそんなトウモロコシに負けてたまるかと、一本一本トウモロコシを起こし、ポールを立てて支え始めました。
ここからのひと月、本来なら毎日2,000本ずつのトウモロコシが収穫できたはず……。今年は、かろうじて育ち続けているトウモロコシを順番になんとか探し出し、少しでも多くのかたに「がんばるトウモロコシ」を届けたいと必死に作業にあたっていらっしゃいます。
私にできることはトウモロコシを買わせていただくこと。
多くの場所でさまざまなことが起きる……
(有)ヤマニファーム
〒369-0221 埼玉県深谷市榛沢新田1224−1
048-546-0831
元々はお漬物屋さんで、今でもキムチなどを売っていらっしゃると……あ、キムチ買うの忘れてたーーー! 今度うかがったときはキムチも買わせていただきます!
お時間を割いていただき誠にありがとうございました。