あれは二本木峠。このまま登山道を上に向かって進むのは危険な匂いがしたから、バス停の方に向かって東に降りるルートを選択してみた。
天候が安定して晴れていたならば、細くても舗装されているのでそれなりにスムーズにバイクを走らせることができる道だったのに。
そういえば最近、雨降ったよね…。けっこう荒れていたよね…。その山道は泥にまみれ、木の枝が散乱し、石ころもゴロゴロと…! 危険じゃー!!
舗装がなくなったら引き返そうと決意。
でも、舗装は続く。とりあえず下っているから、ゆっくりゆっくり道路をチェックしながら進む。
アーッと2回叫んだ瞬間があったけれど、必死で下りた。エンジンブレーキを頼って、細いクネクネカーブを曲がる。絶対に対向車は来ないだろう道。
途中、視界が開けた。おいおい、まだ相当高い場所にいるではないか。くだる、くだる、ひたすらくだる。
間違っていないよね。これを下りたらバス停があるんだよね。こんな道を下る人はいるのか!?
そう、だから、舗装がなくなったら絶対に引き返そう。どんなにUターンが出来なさそうでも、絶対に引き返すぞ…
あぁ〜、民家だ。人の気配が感じられるとドッと安心する。良かった。普通の道路に出てきた。良かった。
……そんなこんなの東秩父。行き当たりばったりで、和紙の里にたどり着いた。とにかくお腹がすいた。安心したら、途端にお腹が空いた。
山道は暗かったから暑さなんて気にならなかったけれど、下山してみれば灼熱地獄だねぇ。
かき氷を食べる余裕が生まれた。マスカットを頼んでみた。薄味だと感じたのは、相当疲れていたからなのか。
お店から流れてくるラジオの懐かしい音楽を聴きながら、ゆっくりゆっくり夏のひとときに気持ちを寄せる。
青空を穏やかに眺められる幸せに感謝する。
さてと、胃の中が冷たいうちに帰路に着こう…
楽しいツーリングだったな〜。満喫したね。
ありがたや、ありがたや。